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カシオペアの丘で 重松清

2007–08–20 (Mon) 11:10
カシオペアの丘で(上) カシオペアの丘で(上)
重松 清 (2007/05/31)
講談社
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ここは、俺たちの丘だ―。
肺の腫瘍は、悪性の癌だった。まだ、やり残したこと、見ていきたいものがたくさんあるっていうのに―。そんな時、何気なくテレビに映った遊園地「カシオペアの丘」。そこは、まだ幼かった頃―自分もシュンと呼ばれていた頃―俺と、トシとユウちゃんとミッチョの仲良し4人組で夢を語った場所だった。そうだ、あの頃は、ただ純粋に、俺らは友達だった。数年後に、俺らがいろいろなことに気づいてしまうまでは―。「生きる」とは?「許す」とは?様々な思いを胸に、彼らは数十年ぶりに故郷・北都に集うこととなる。そこで待ち受けていたものは…。
これは上下巻です。画像は上巻だけですけどね(*_*;
重松清は久しぶりです。ほかには「その日のまえに」しか読んでないんですが。田舎帰ったときに読んでたら叔父さんに「えー、今の若い子は重松清とか読むの?!」と驚かれました。え、普通に読みますよ、ね?
むしろ結構ファンのコも多い気がするんですが、私の周りだけ?

話の内容ですが、今回のテーマは「許す」こと。
人間、やっぱり人に迷惑をかけずに生きていくことは難しいわけで、一度も誰かに許しを乞わなかった人は居ないはず。そして逆もまた然り。
許すほうと許されるほうとどっちが辛いかというと、私は許すほうが格段に辛いと思います。許される側は、許されたらそれでおしまい。許されたこと=終わった出来事として扱うことが多いはずです。でも許すほうはこれで終わり、っていう地点なんてないんですよね。自分がいくら納得したと思ったって、その出来事が自分の中で終わった出来事になることはないだろうし、そうやって自分でも消化できないところで、相手の想いまで受け止めなければならない苦しさもある。そうおもうと、人がひとを本当に許すことは本当はとても難しいことなのではないかと思うのです。

この物語の4人は、自分の信念と相手への思いやりの間ですごく悩んでいる。許したいけれど、本当に許してしまっていいのだろうか。許されたいけれど、本当に許されてしまっていいのだろうか。相手を思いやるがゆえにどうするべきなのかわからなくなっていく。こうやって悩むことがなければすごく楽なのにと誰もが思う。
しかし、美智子のこのセリフで、その気持ちは一転する。
「ひとを一度も傷つけることなく、誰かに一度も悲しい思いをさせることのない人生は、この世にあるのだろうか。わたしにはわからない。誰からも傷つけられたことがなく、悲しい思いを一度もしたこともない人生は―よかったね、とは思うけれど、幸せだったね、と言えるのかどうか、わからない。」

そして、同時に「生きる」ことについても考えさせられる。
死に行くものが残されたものに遺せることは。生き続けるものがこの世を去るものにしてあげられることとは。
この答えは、ちょっと考えただけで出せるものではないし、出してはいけないものだとも思う。

登場人物の中では、ユウちゃんこと雄司がとてもいい。
ムードメーカーでいつもおちゃらけたことばっかりやっているけど、彼がいなかったら、4人はまた昔のように笑い合えたのかわからない。ちょっとお人よしなところがあって、人を放っておけないから損ばっかりしちゃうんだけど、私は彼みたいな人、好きだなぁ。

シュンがこの世を去ろうとするシーンや、北都観音に上っていく場面はジンと胸に来ます。大泣きってほど泣きはしなかったんですが、最後のほうでうるうるとしてきました。

上下巻ですけど、一冊があまり太くないし、言葉も難しくないので、さらさら読めます。じっくりと本の世界に浸りたいとき、何かを考えたいときに、ぜひ。

読了日:2007/8/14
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コメント

爽さん たびたびどうも 笑
こちらにもTBさせていただきました。重松さん、流星ワゴン一冊しか読んでなかったけれど、この本、何となく手に取ってみました。良かったですねえ。上巻の後半から泣き始めて、下巻の後半ではもう涙が止まりませんでした 苦笑

いえいえ、いつでも何度でもコメント大歓迎ですよ☆(笑)
そしてTBですが、こちらのほうも届いていないようです・・・。申し訳ないですが、再度飛ばしてみていただけますか?

最近重松さんとちょっとソリが合わないかなぁと思っている私ですが、この本は別です。ほんと良いですよね~。
重松さんが書く「生」と「死」は、なんか押し付けがましくなくてすごくいいと思います。
書き方も丁寧で、自然にいろいろなことを受け入れられる感じです。

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