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南の子供が夜いくところ 恒川光太郎

2011–04–17 (Sun) 22:36
南の子供が夜いくところ南の子供が夜いくところ
(2010/02/27)
恒川 光太郎

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家族で海水浴に来たタカシは、不思議な女性・ユナの導きによって、トロンバス島という南国に案内される。そこでは、場所も時間も定かなものは何もない。多くの人が、ふとした瞬間に、今とは全く違う次元へと足を踏み入れる。タカシもまた、その幻想へといざなわれていく…。現実と異界の境もあやふやになる、7編の幻想連作短編集。


「南の子供が夜いくところ」「紫焔樹(しえんじゅ)の島」「十字路のピンクの廟」「雲の眠る海」「蛸漁師」「まどろみのティユルさん」「夜の果樹園」の7編。
冒頭に登場するユナとタカシがキーパーソンで、どの話にもちょこちょこ登場します。ほかにも名前だけ登場したり、話が出てきたりする人物たちがいる、ゆるーい連作短編になってます。


個人的には「紫焔樹の島」が一番好きかなぁ。
ほかの話では偉大な呪術師として描かれているユナのルーツとか、疫病の蔓延の様子とか、一番読み応えがあった感じ。
実際にこういうことってあると思うし…。

いつも恒川作品では時間というより時空の転換がなされることが多いので、タイムスリップが起こるのって珍しい感じ。

うーん、でも、『夜市』でこの人の作品を読み始めた私としては、ちょっと物足りない感じかな。
楽しめたけど、期待していた方向とは違っていたというか。
私は恒川作品の、不条理がもたらす怖さ、もしかしたら現実に自分の身にも起こるのではないかっていう変なリアリティに惹かれたんだけど、これはどうもファンタジーな気がする。

もやもやとした気持ち悪さが残るその重さ、後味の悪さをもうちょっと感じたかった。

そういう意味では「夜の果樹園」が一番それっぽいか?


「紫焔樹の島」は好きだけども、世間知らずの未開の地が疫病によって滅びていく様子は、歴史の中では普通にあったことなのではないかな。
そんなに歴史に詳しいわけじゃないけどさ。


次は、もっとこう、ひんやりとした温度の低いお話が読みたいかな、なんて思う。



読了日:2011/2/21
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