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東京タワー 江國香織

2010–05–02 (Sun) 17:39
東京タワー東京タワー
(2001/12)
江國 香織

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恋はするものではなく、落ちるものだ。19歳の透は、美しく優雅な詩史さんにそのことを教わった。一方耕二は心の赴くままに多くの女との遊びに興じていた。対照的なふたりは、しかし同じように年上の女に惹かれ、愛を育てていく…。甘美な愛の形を綴る恋愛小説。



本の記事、久々ですね。
ほっとくと、気付いたら読んでから1年とか経ちそうです。
危ない…。


江國香織、久々!
このブログには記事ないですけど、ちょいちょい読んだことはあります。
『冷静と情熱のあいだ』
『すきまのおともだちたち』
『神様のボート』
くらいしか読んでませんが。高校の時読んで以来かも。

江國香織の文章って、薫るんですよね。
ふわっと。
匂いたつ、というか…。
この方、雰囲気を作るのが最高に上手い気がする。
小川洋子とかもすごく美しい世界を作る人ですが、小川洋子の世界はある種美しくて完璧すぎる気がする。
江國作品のこの揺らめく世界の儚さには、不完全だからこその吸引力がある気がします。
他の作品も読みたいんですが、そういう雰囲気が素敵な作品て、1作読んだらしばらくお腹いっぱいになる(笑)
浸かりすぎて、次が同じタイプの作品だとのめりこめずに終わってしまうので、私は間を空けないと楽しめないです。




この『東京タワー』はいつか絶対読まねばならぬと思っていたので、ひとつ目標が達成された気分。
なぜだかわからないのですが、「恋愛小説といえば『東京タワー』!」という想いがありました。
ほんと、何でだろう(´∀`;)
透と詩史は歳も全然違うし、だいたい不倫だし、私の好きな王道とはかけ離れているのに、なぜだか恋愛の王道な気がしている。

一番衝動的な部分というか…理屈抜きで相手を求める部分に、恋愛の本質を感じているのかもしれない。

恋愛小説にもたくさんのジャンルがあって、甘酸っぱいモノとか、超ドロドロの不倫モノとか、幸せいっぱいのとか、色々あると思うんですが、これはどこにもはまらない感じ。
上のはどれも「恋愛していること」が非日常で、始まりがあって終わりがある、ひとつの「出来事」なんですけど、これはちがう。

透と詩史の関係は大きく変わらず平行線のままだし、耕二もあんなに適当に生きてるのに、最後に大波乱が起きるわけでもなく、ゆるゆると時は進む。終わりも、結末と言えるようなものでもなく。

とても、自然。
そして、とても、自由。

恋愛って本来これくらい自由なものなのかも。
人間の恋愛って、規律・道徳・体面、そういうものがまとわりついて、まっすぐ1対1で向き合えていない人が多いんじゃないかな。
恋愛経験乏しい私が言うのは生意気な気もしますが!一般論として!


「恋はするものじゃない。落ちるものだ」
というのがこの小説の代表的な言葉であり、話の根幹ですが、たぶんこれに私はとても惹かれているんだと思う。
頭じゃなく、心で恋愛している気がするから。


詩史はどこまで本気なんだろう。
彼女の大事なものはなんだろう。
別荘に夫がやってきて、透のもとを去るときの潔さ、そして自然さといったらもうすごい。
たぶん彼女には透を弄ぶ気も、騙す気もさらさらないんじゃないかな。
一緒にいたいから、いる。それだけ。
どこまで本気かわからないけど、いつも嘘はついていない。そんな感じ。

不倫なんかしたら将来幸せになれないとよく言う。
まぁ否定はしませんが。
でも、不幸になるかというとまたちょっと違うなと、彼らを見ていて思ったし、最近そう思うようになった。


恋愛の価値観て、人の本質が出るなと思う今日この頃。


読了日:2009/8/31
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コメント

爽さん、こんばんわ。
江國さんの文章が薫るというの、なんだかわかります。
読むとしばらくお腹いっぱいというのも。
江國さんの作品って、読むとどっぷりと世界にひたってしまいます。

読んだのはだいぶ前ですが、この小説の空気はすごく印象に残ってます。

>juneさん
こんばんは!
他の方と何が違うのかわからないんですけど、独特の雰囲気がありますよね!
江國さんの世界観て、大きな動きがあるわけではないのに、自然と引き込む力があると思います。

私もなんだかひっそりと心の奥底に残るというか…印象に残る作品だったと思います。

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