スポンサーサイト

--–--–-- (--) --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クライマーズ・ハイ 横山秀夫

2008–08–24 (Sun) 02:53
クライマーズ・ハイ (文春文庫)クライマーズ・ハイ (文春文庫)
(2006/06)
横山 秀夫

商品詳細を見る
昭和60年8月12日。群馬県御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機。死者520名、単独の飛行機事故としては世界最大の事故である。この事故の全権デスクとなった新聞記者・悠木は、一人の記者として、一人の人間として、この事故の巻き込まれることとなる。未曾有の大混乱の中、悠木がみたものとは?


確かこれが出たのって、「ブレイブ・ストーリー」が出た頃と一緒だったような気がします。
当時中2だか中3だった私は、目に入ったこれら二つをみて当然のごとくブレイブ・ストーリーを選んだ記憶があります(笑)
そうか。それって5年くらい前の話になるんだなぁ。

でも結果的には5年寝かせてよかったのかも。
中3では考えられなかったり、見えてこなかった部分があるような気がする。
今も受け止めきれているかわからないけれど。


記者って怖い職業だな。
マスコミがキレイに書かれているものを見たことがない。
大概いろんなものが複雑に絡み合っているものは、それぞれの側面から見ることで、見方が変わったりするものだけど、こればそうではありませんでした。
マスコミ側の作品のこれでさえ、マスコミに好感を持てずにいる。
それは、このひとの作風のせいかもしれませんが。
事件を追いまわし、被害者を突き詰め、ありとあらゆるものに貪欲に迫っていく。
嫌がられることを覚悟して進んでいかないととてもつとまらない仕事で、私なんかはついていけない。
魂を削るような仕事だと思う。

しかしそうなったのも私たちのせいっていうのはよく考えるんですよねー。
よくマスコミのやりすぎ報道みたいな感じでピックアップされることがあるけど、
そこまでして情報をむしりとろうとするのは、私たち視聴者が求めるからだもんね。
それを棚に上げてマスコミばかりを嫌悪するのっておかしいなぁと思うわけです。
「知りたい」っていう小さな好奇心が肥大すると、時に無意識の悪意の塊になることを覚えておかなくてはいけないなと。

横山秀夫ってあんまり読んでないんですけど、でもすごい厳しい現実を突きつける作品を書く人ですね。
読んでいくだけで胸がざわつくというか、信じていた世界が壊れていくというか。
あ~~こんなん読むから余計に社会人になりたくなくなる~~~(>_<)

あとちょっと思ったことを追記に。
個人の感想とはいえちょっとデリケートな問題かな?って思ったのでワンクッション置くことにしました。
興味のある方はどうぞ。

読了日:2008/7/27






彩子が「人の命って大小があるんですね」って言って悠木を責めていたのに少し引っかかりました。
そうやって責めるのは、さすがに卑怯…といっては言い過ぎかもしれませんが、フェアじゃない気がします。
彼の関心が事故のことでいっぱいになって彩子への電話を忘れたからといって、彼のかかわりで亡くなった望月青年のことを「軽く」見ていると思うのはちょっと違うと思うんですよ。
彼が事故のことで頭がいっぱいになっているのは、「記者・悠木」として動いているからで、個人としての悠木は、むしろ望月青年の死のほうが心の中に残っている。
彼の死を悼んでいないわけじゃない。
遺族としては確かにやりきれないかもしれないし、無視されているように思うかもしれない。
でもああやって責めるのは一歩踏みとどまったほうがよかった。

そう思わずにはいられないんですよね。

命の重さは新聞という大衆に向けたメディアで計ることはできないし、計るべきでもないと思います。
民間マスメディアはつまり人の関心の大きいものが重要なトピックになるわけで、
一人の人間の事故死とたくさんの被害者の航空事故死、どちらが大衆の興味があるかといわれれば、もちろん航空事故死のことでしょう。
誰にも、ほとんど知られずに、なくなっていく方は大勢います。
発展途上国で今も命を落としている子供のことを気にかけている人は、この瞬間いったいどれくらいいるのでしょう?
報道なんてされないけれど、法の下では彼らの命が誰もの命と同様尊いものであることは、みなが知っている。

そして個人が感じる命の重さには違いがあるのもまた当たり前のこと。
大事なものが人によって違うのと同じで。
みんな人の命が等しく平等だって思っているけど、主観が混じれば重さは絶対変わってくる。
冷たい言い方をすれば、遺族である彩子と一時の職場の上司だった悠木が、望月青年に対する想いの重さにずれがあって当たり前だと思うのです。
だから、ああいう風に責めるって、ちょっとずるいなって。
自分が彩子の立場だったらわからないですけど。
でも客観的に見たらずるいと思う。
ただ、今書きながら、遺族だからこそずるいけど、遺族だからこそそれでも許されるのかもな、とも思いました。

うーーーん、難しいな…。
なんか当たり前のことグダグダ言った気もしますし、なんかどんどんわき道に逸れて、ぜんぜん違うことを引っ張り出しているような気もします。
そもそも命の「重さ」をはかろうとするほうが間違っているのかな…。

長々とすいませんでした(>_<)
スポンサーサイト

« TWO旅行in伊豆 | TOP |  東京公園 小路幸也 »

コメント

爽さん おはようございます
人の命の重さは、人それぞれですね。その人との関係、立場、世代や時間・・・etc それぞれのそれぞれな視点によって、刻まれる目盛りは変わってくるのだと思います。答えのない問題だからこそ、人の心を惑わせるのかもしれません。

>yoriさん
こんばんは!^^コメントありがとうございます☆
なんだか…ありがたいことに彩子のような体験はしたことがないので、こんな風に「不慮の死」というものを突きつけられるととても戸惑ってしまいます(>_<)
こういう「答えの出ない」問題は、そのつどそのつど考えていくことが大事なのかな、って思って、「慣れて」しまわないようにしたいなぁと思いました。

コメントの投稿

 
管理者にだけ表示

トラックバック

「苦い想いとランデブー」

極めて個人的主観だが、横山秀夫さんといえば、 社会派小説であり、硬派な警察小説であり、 そしてとても巧い短編作家であるという印象を 僕は持っていた。 作品「クライマーズ・ハイ」は そんな先入観を払拭してくれる、 まさに横山さんにとって、新境地を開く意...  …

トラックバックURL

http://littlebylittle13.blog103.fc2.com/tb.php/177-850634e1

⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

 | TOP | 

At first

FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集

管理人の日々のつぶやきと、読んだ本の感想、趣味で作ったハンドメイド小物について綴っています。
更新速度はマイペースですが、情熱が続く限りは続けていくつもりです。よろしくお願いします。

本の感想記事は予告なくネタバレする場合がありますので、未読の方はご注意ください。

初めての方、詳しいことが知りたい方はこちらからお願いします。

Calendar

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

New Entry

Category

New comment

New trackback

Profile

爽

Author:爽
大学生
誕生日:8/13
趣味:読書 アクセサリー作り ショッピング
好きな作家:
有川浩 伊坂幸太郎 桜庭一樹 小路幸也 高楼方子 恒川光太郎 豊島ミホ 梨木香歩 三浦しをん 村山由佳 森見登美彦
好きなモノいろいろ:
りんご 甘いもの 王道 FF7 ドラゴンボール 書道 数学 トロンボーンを吹く 整理整頓 aiko 雑貨屋さんめぐり
得意になりたいこと:
料理全般 カラオケ 語学(特に英語!)車の運転(ナビ含む)

Now reading・・・

Now Reading…
『鍵のない夢を見る』(辻村深月)

Etcetera

ランキングとか同盟とか。

・にほんブログ村
本ブログ
ハンドメイドブログ

0813


Counter

Search

Archives

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。