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夜のピクニック 恩田陸

2008–08–13 (Wed) 12:35
夜のピクニック (新潮文庫)夜のピクニック (新潮文庫)
(2006/09)
恩田 陸

商品詳細を見る
北高の伝統行事・歩行際。朝8時から翌朝8時にかけて、役80キロの道のりをひたすら歩きぬく、楽なようで非常に過酷な行事である。1年で最後、3年にいたっては高校最後の行事になる。様々な想いをもって行事に挑む生徒の中で、甲田貴子はある「賭け」をしていた…。忘れられない青春の輝きを詰め込んだ、第2回本屋大賞受賞作。

初・恩田陸。
気にはなってたんですが、ちょっとカラーがつかめずに、ちょっと手を出しかねていた作者さんです。
ややマイナーだった恩田陸を一気にメジャーにした作品なので、失敗はないかなと思い、ここから入りました。

すごく、すごーーくよかったです!!
しかしいつもは情景とか、キャラクターの想いがどうのこうの、って言いながら感想を書いているのですが、今回はキャラクターそっちのけです。
本の感想というというより、私の個人的な思い出を語っている感じなので、それでもよろしければ先にお進みください…。


それというのは、うちの高校にもこの歩行際に似たような行事があったからで、「強歩」って言ってました。
朝9時くらいから出発して、昼2時ごろまでに20キロを歩くという、歩行際に比べればなんてことないゆるさの行事です(笑)
でも、やっぱりロングウォークという点では似ている部分が多くて、いろいろ共感することが多くて。
だから、「貴子が」「融が」っていうより、「あの時、わたしは」「あの人は」って感じで、思い出しながら読んでました。
物語に入り込んで一緒に歩いているというより、
物語を通して当時にタイムスリップしたような感覚。
タイムスリップして、これだけ幸せな気持ちになれるということは、私にとって高校時代は本当にすばらしいものだったんだな、と嬉しくなったし、そういう思い出を持っていることを誇らしく思う。
きらきらした思い出があるってことは、そのとき精一杯頑張ったという証だから。

高校のころの付き合った彼氏に告白されたのが、この強歩大会の夜だったので、
これ読みながら、あのときは歩きながら私のことを考えていてくれたのかなぁ、とか。
融と忍のようにそういう話で盛り上がってたのかなぁ、とか。
思い出すと照れくさいけど、そうやって想っていてもらえることってすごく幸せなことだなーって思う。

「歩き続ける限り思考が一本の川となって自分の中をさらさらと流れていく」
ひたすら歩くことで何かを考え続けることができるのは、この辛いロングウォークの唯一最大の利点ですね。
自分の中で何かをずっと考え続けることって、とても大事だと思うんです。
高校とか、そういう刺激の多い時期はなおさら。
私は高校時代片道約20分のチャリ通だったのですが、その間本も読めないのでほんとにいろいろなことやってました。

虫が突進してくるから、イヤーーーって思いながら全力疾走してたり、
親と喧嘩して、親子関係のあり方についてずっと考えたり、
真夏のアスファルトの照り返しに辟易して頭真っ白状態で走ってたり、
合唱コンクールの曲をこっそり歌って練習してたり、
友達からもらった嬉しい言葉を反芻してたり、
好きな人のことを思っていたり、
息をもっとうまく使えるようにブレスコントロールしてたり(←吹奏楽部だった)、
自分という人間について考えていたり…

本当にいろんなことやってましたし、考えてました。
でもそうやっていろいろ考えたからこそ、いろんなものの見方ができるようになったと思うし、自分自身の身の振り方も改めさせられることも多かった。
高校のころは無意識というか自然にやっていましたが、大学になって、そのときいろいろ考えたことが糧になっているなって感じるので、ほんとに大事な時間だったんだなーってつくづく思います。
強歩大会のときもそうやって考えてて、思考が中断されるのが嫌いな私は、友達の話をあまり聞いていなかったときも…(^_^;)いかんいかん。

この作品、ぜんぜん泣くポイントがないのに、いろんなところで涙ぐんでました。
貴子も融も、すごく友達に恵まれていて、素敵です。
友達がたくさんいるということ=いいこととは限らないけれど、
ただそれだけで自分に自信をもってもいいのかもしれない。
自分のことを大事に思ってくれる友達がいるということは、自分の中にそう思ってもらえる何かがあるってことなのだから。

大学も楽しいけど、個人で楽しんでるから、
こうやって団体で楽しむってことが懐かしい。

いい読書でした。
中学のころとかの課題だった読書感想文、今ならすごくいいもの書けそう(笑)

読了日:2008/7/23
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コメント

爽さんの強歩の日の様子が目に浮かぶようです。
きっと、この物語の登場人物たちとおなじ気持ちで歩いていたのでしょうね。

ただ歩くなんて・・・、と思うけれども
ランナーズハイならぬウォーカーズハイで、さまざまな物事が見えてくるのかもしれませんね。

>ふらっとさん
彼らより短い20キロでしたが、なんだか素直になれる感覚は同じでした。
やってるときってすごく辛くて2度とやりたくない!って思うんですけど、今は「もう一度やってもいいかも」とか思っちゃいます。
人間てゲンキンなものですね(笑)

私は夜歩くっていうのはしたことないのですが、夜になると確かにウォーカーズハイになりそうです。
夜にみんなといるって非日常って感じですし。
うーん、やっぱり夜、みんなと歩いてみたくなってきました(笑)

爽さん こんばんは
私の高校にも似たような行事がありました。私達よりも先輩の時代には本当に朝まで歩いたそうですが、幸か不幸か 笑 私達のころには夜半で撤収でした。でも爽さんのような素敵な思い出はありません 笑

>yoriさん
こんにちは!
おお、結構同じような行事をやっているところは多いのですね^^
私も貴子たちよりは思い入れはないんですけど(笑)、でも高校最後の行事というのは変わりないので、それなりに感慨深かったですねー。

こんばんわ。カキコありがとうございました。
恩田さん初めてだったのですね~。
私は活字中毒になったきっかけが恩田さんでした。
最初に読んだのは7年前…だったような^^;
私は「ネバーランド」を読んではまりました。
そちらも機会がありましたら是非。
私は歩行祭のような行事はなかったですね。
読んでいる限りは良いなと思いました^^

爽さん、こんにちは!
お伺いするのが遅くなってごめんなさい(>_<)

この作品、とっても好きで読んですぐ当時中学生だった長男に読ませました。
彼のほうが登場人物に年令が近いので感じるものも大きいかな、と。
多くは語りませんでしたが彼なりに良かった、と思ったようです。

一晩で少しずつ互いが伝わっていったり、成長する様子がとても清々しくて青春だなぁ~と思いました。遠くかなた昔の自分の姿を思い出したりして。

恩田さん、しばらく読んでなかったのですがまた読みたくなりました(*^-^*)

>苗坊さん
こんばんは~^^
初めてだったんですけど、すいすい読めました。
今読んでいる「ライオンハート」も楽しめているので、なかなか合っている作者さんかもしれません。
「ネバーランド」、ぜひ読みたいと思います!
私は高楼方子さんの「時計坂の家」で活字中毒になりました^^
中学のときに読んだ児童書なんですけど、
本当にわくわくして読みました。

歩行祭…今思い出すと「もう一度やりたい!」って思うんですけど、
実際やるともう…ヘトヘトに(笑)
貴子たちは私の4倍歩いていることを思うと、尊敬します。

最後に、遅くなりましたがお誕生日おめでとうございます!
この1年が素敵なものになるよう、お祈りしています♪

>リサさん
こんばんは!
とんでもないです、ありがとうございます^^

いいですね!
私は思い出が駆け巡って、それはそれでよい読書になりましたが、リアル高校生のときに読んでいたら、感想もまた違ったものになっていたと思いますし…。
ご長男がって羨ましいです。
ベストなタイミングで本を薦めてくれる読書家のお母さんがいるなんて(*^_^*)

なんだかすごく懐かしい気持ちにさせる本ですよね。
私はそういう行事があったから余計にそう思いましすが、あの青春のちょっと照れくさい感じがすごくよく出ていて、「もう一回あの頃に…」と思わずにはいられません^^
ほんと、いい読書でした。

呼吸が苦しくなるような、足が痛くなるような、いろいろな疑似体験ができました。

>藍色さん
わかります!なんだか貴子たちと一緒に歩いている気持ちになってくるんですよね。
読んでいるうちに、終わってほしくない!と思ってしまう、そんな読書でした。

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