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新世界より 貴志祐介

2008–05–23 (Fri) 16:17
新世界より 上新世界より 上
(2008/01/24)
貴志 祐介

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舞台は1000年の時がたった日本。人はすべて呪力という超人的な力を手にし、人以外の生物の頂点に君臨していた。しかし一見平和に見える世界の根底には、避けて通れない血塗られた人類の歴史があった…。バケネズミ、ネコダマシ、ミノシロモドキに悪鬼や業魔…まるで神話の中の生物達が登場するこの世界で、人間がとるべき道とは?果てることなき人間の業を書いた、長編SF。

ううー…なんか、これ、上手く感想をかけない自信がある。色々と思うことはあるのだけれど、全くまとまらない。「八日目の蝉」でも同じようなこと言ってますが、これの比じゃないです。
見てはいけないものを見てしまった気が、します。
冒頭から私はあの雰囲気に圧倒されてしまって、なんだかすごく怖くて。
とりあえず怖いもの見たさで進んでいくんですけど、だんだん、「もういい、やめて」って立ち止まりたくなって。
でもこの話は立ち止まることも、戻ることも許してくれない。
私は途中から、腕をつかまれて引きずりこまれた、って感じでした。
そうじゃないと1000ページ以上の話を3日でなんか読めない。
ちょっとグロテスクだったので何回か「うっ」となりましたが…まぁ許容範囲。

貴志さんの本はこれが初めてですね。
「狐火の家」を読もうと思ったんですが、実は何かの続編だったらしくて、1章だけ読んで止めました。
そっちはイマイチ肌に合わなかったし…。

色々、人間の心の奥にある「みにくさ」を書いた作品は読んできましたけど、これが一番ハードでした。
なんていうか「人間」じゃなくて「ヒト」を見ている感じ。
「ヒト」としての、むきだしの、本能。

この1000年後の社会って徹底された監視社会で、恋愛すら管理されている社会なんです。
人間同士の争いをどうしたら止められるか、を追求して作られていった社会。
「呪力」という、大きすぎる力を持ってしまった人間達が、絶滅しないように作り出した、理想社会。
ちょっとでもおちこぼれると、がやがては悪の芽になる危険があるからと、すぐに「処分」される。
その様子は、まさに権力を手にした武将が、暗殺を恐れるあまりに誰も信じられなくなって、次々と臣下を殺していった状況とよく似ている。

狂った社会だって思います。
でも、主人公の早季が、1000年前(つまり今私たちが生きる時代)のことについてあれこれ言うんですが、なんども何度も、「信じられない」「狂っている」と連発するんですね。
「人が人を平気で殺すなんて。」
「なんの良心の呵責もなく、ボタンひとつで何億もの人間を殺す兵器があるなんて。」
と。
私たちは、ニュースで見る殺人や、戦争について、無頓着であるわけではないけれど、すべて「そういうものだから」といって割り切ってしまっている気がする。
「世の中には、平気で人を殺す人がいる。怖いね。」
それでおしまい。

私たちはほかの生物が共食いしたり、自分の子供を食べてしまったりするという事実を知ったとき、それを恐ろしくて醜い行為だと受け取るけれど、果たして人間はそれとは全く無関係なのか?
同族を何にも考えずに殺しあうヒトは、そんなに崇高な生き物なのか?

ヒトと同等の智能を持ちながら、呪力がないということで、ヒトに隷属させられているバケネズミ。
彼らは、ヒトの本質を映す鏡のよう。
彼らの正体を知ったとき、ヒトという生物は、どこまでやれば気が済むんだろう、と愕然とした。
本気で、ヒトは生きていていいのかな、と思った。

早季が言った、「わたしには、わからない…何が、正しいのか」で、ちょっと立ち止まる。
考えても答えは出ないけれど、何かを正しいと認識した瞬間、道を誤る気がして、すごく怖くなりました。
生きていくことは、とても、むずかしい。

感想が上手くかけないー。
長いから色んな部分で書きたいことはいっぱいあったはずなのに、結構落としている気がする…。
でもなんとなく圧倒された、ということだけ伝わればいいと思います(笑)
SFってあんまり馴染みないんですが、世界観が分かってからはすんなり入っていけました。
好みが分かれる作品だろうけど、私はいけました。むしろストライクかも。
…ネガティブだなー(苦笑)

読了日:2008/5/15
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コメント

こんばんは~こちらにくるのが遅くなってすみません。(・ω・;A)アセアセ…
なんでもっと早くに読まなかったんだ~!っていうくらい面白かったです♪(結構ヘビーだから面白いという言葉を使っていいのか悩みますが・・・苦笑)

でも、あまりにもドキドキしすぎて途中で読むのと休憩しないといけなかったのですが(苦笑)それくらいどっぷりはまって読みました。SFでしたがホラーでもありましたよね。
怖さも感じましたが、同時にそこはかとなく漂う哀しみも感じました。これは年間ベストに入るな~(^^ゞ

>板栗香さん
こんばんは!いえいえ、お気になさらず☆

ですよね!いやぁ、同じ感想をもつ方がいてくれて嬉しいですー!
自分の身の周りとかに置き換えて、色々考えてしまう話ではあるのですが…この話はフィクションとして受け止めて楽しんだほうがいいなって思いましたね^^

私は、休憩しようと思いつつずるずると最後まで引っ張られていってしまった感じでした。
そこまで引っ張られる話もめったにないので、不思議な感覚でしたね~。
個人的にはSFっていうよりホラー色のほうが強い印象でした。SFってタイムトラベルとかのイメージなんですよね…(^_^;)
私も去年のベストに入りました☆直木賞、ノミネートすらされなかったのが不思議でなりません。本屋大賞っぽくないけど、とってくれたら私は\(^o^)/な感じです(笑)

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 とても評判がいいのは知っていたのですが、私が苦手意識を持っているSFで分厚い上下巻ということでなかなか手が出ませんでした。(^^; お友達の本ブロガーさん達が年間ベスト10にあげていたりして、気にはなっていたんです。今回本屋大賞にノミネートされたというこ...  …

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