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裏庭 梨木香歩

2007–05–23 (Wed) 21:09
裏庭 裏庭
梨木 香歩 (2000/12)
新潮社
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丘の麓のバーンズ屋敷に何か秘密があることは、当時その辺りの子どもなら誰でも知っていた。
不思議に満ちたその屋敷の中に足を踏み入れた照美は、あることがきっかけでその屋敷の秘密―「裏庭」に入ってしまう。そこで照美が見たものとは?日本と異国、生と死、現世と異世界・・・様々な要素の絡まりを解いた先で待っていたものとは、一体なんなのか?少女の心の中を描いた長編ファンタジー。
少女の残酷さっていうものは、本当に恐ろしい。
可憐で繊細な少女たちの内面に隠されている、その破壊衝動のようなものは、同年代の少年たちのそれとは、くらべものにならないくらいすさまじいと、私は思います。

梨木さんの本はこれでやっと3冊目です。(読了本:西の魔女が死んだ・りかさん)
今まで読んだ中では、いつも主人公の女の子は、自分の両親よりも祖父・祖母(あるいはそれに近い年齢の老人)との関係が深いですね。親子の絆の薄さが出すせつなさ・痛さが、梨木ワールドの根幹をなす気がします。
私はこの独特の空気感がほんとに好きです。胸の奥底に響いてくるっていうか、読後もしばらくはその本の中の空気に漂っていられるような、そんな気がします。

テルミィの中にあった底知れぬ負の感情は、決して彼女だけじゃなく、ほかの誰にも当てはまるものだと思います。
誰しも、心の中に恐ろしい怪物を飼っているということを、今改めて感じました。

怪物が行なった残酷な行為が、頭から離れません。
あのシーンが一番強烈でした。ほんとに背筋がゾッとしました。私の手にも感覚が残っているような気がして、怖かったです。
でも、だからこそ一番惹かれる場面です。
あぁー、自分のネガティブさがわかってしまう(苦笑)

なんか私はこういうゾッとする、言いようのない怖さに無条件に惹かれてしまうのかもしれないです。
マイ・バイブル「時計坂の家」だってそういう怖さに惹かれているわけですから。

この本は、繊細でした。一歩間違うと壊してしまいそう。
でも、その中で生きる、たくましさがありました。
読後は、余韻に浸りたくなること間違いなし、ですよ!

読了:2007/5/21
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