スポンサーサイト

--–--–-- (--) --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

沼地のある森を抜けて 梨木香歩

2008–03–04 (Tue) 10:27
沼地のある森を抜けて沼地のある森を抜けて
(2005/08/30)
梨木 香歩

商品詳細を見る
若くして亡くなった叔母の持っていたぬか床。それは上淵家の家宝といわれ、上淵の女たちは代々それを引き継いで世話をしていたのだという。渋々その家宝の世話をすることになった久美だが、そのぬか床の不思議なことといったら、筆舌に尽くし難い。呻き、卵を孕み、人を産む。うちのぬか床で、一体何が起こっているのだ・・・?生物とは一体何なのか問いかける、梨木香歩の新境地。

梨木香歩はいくつか読んだことがあって、どの話もノスタルジックで異国の情緒溢れる穏やかさを感じていたのですが、今回は薄ら寒さを覚えました。

結構難しくて、理解するのに時間がかかりました。
なんで人がぬか床から生まれてくるのか、とか。
途中で挟まれるシマの物語は久美たちと繋がるのか、とか。
最後に大体はわかるんだけど、それを飲み込むのが難しかった。
わかりそうでわからない、モヤモヤした感じ。

自分という存在をしっかり確信できるかといわれて、即答できるのか。
今までならもしかしたら「できる」と言っていたかもしれない。

でも遺伝子レベル・菌レベルでの話をされると、もう自分は「個」人ではなくなる。
私の中には数え切れないほどの細胞という「個」があり、私はこの場合「個」ではなく「全」になる。
私の中枢に「脳」というものがあるのと同じように、細胞一つひとつにも「核」という中枢が存在する。
だから、細胞一つひとつにも私と同じ「意思」があり、私の体の中には何億という別個の意思が蠢いているのではないかと思ってしまった。
だから、「私」という個人の存在を確信できるかといわれても、それはどだい無理な話なのだ。
「私」は「個」人ではないのだから。

シマの話を読んでるとですね、もしかしたら逆に私達のほうが何かの構成物質なのではないかとも思えてきます。
シマで日常を生きる「僕」は私は遺伝子とかそういうのだと解釈したので、同じように生きる私達もそうなのかもしれない、とか。

「個」っていうのは、なにをもってして「個」と確信できるのか、わからなくなってきました。


梨木さんの本はいつも沸点が低い感じです。
盛り上がるけれども、その頂点が低い。
ざわざわと囁くような。
恋愛とか、家族とか、そういう温かいはずのものが普通の温度より2,3度低いなって思います。

梨木さんはりかさんシリーズ(勝手に命名)を制覇したいなー。
からくりからくさ、早く読もう。

読了日:2008/2/28
スポンサーサイト

« 春のシュシュ祭り | TOP |  ホルモー六景 万城目学 »

コメント

私はあまりに壮大な生命の営みに圧倒されてしまったんですが、爽さんが「個」について書いているところを読んで、何だかちょっと怖いというか不安になってしまいました。そういえばそうですよねぇ・・。

りかさんシリーズこれからなのですね。りかさんシリーズは、読んでいてすごく苦しかったのだけれど、それでも好きという、私にとって特別な位置にある本なのです。爽さんの感想が楽しみです。

想像するとかなり気色悪いですよね・・・。
私もなんだか読みながらぞわぞわしてしまいました。自分の中に別の意思があるということは考えたことなかったので。

りかさんシリーズは「りかさん」しか読んでないんですが、独特の雰囲気があって印象に残っています。読むのが楽しみです(*^_^*)

コメントの投稿

 
管理者にだけ表示

トラックバック

「沼地のある森を抜けて 梨木香歩」

沼地のある森を抜けて ■やぎっちょ書評 梨木さんの小説(エッセイ以外)は全部読んだと思っていたのに、まだあった!うわわ。 それにしてもこのところ、自分の好き好き作家さんばかり読んでいるから、なんか精神的に安定しているというか、楽。 この本はなんかもう...  …

「「沼地のある森を抜けて」梨木香歩」

沼地のある森を抜けて 先祖伝来のぬか床がうめくのです。そしてその中から人が出てくるのです。ずいぶんと突飛な発想だし、ホラー?って感じなので、どんな風に展開していくのか、想像もつきませんでした。でもこれが後半、生命の壮大な物語に変わっていくのです。その...  …

トラックバックURL

http://littlebylittle13.blog103.fc2.com/tb.php/103-35e60170

⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

 | TOP | 

At first

FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集

管理人の日々のつぶやきと、読んだ本の感想、趣味で作ったハンドメイド小物について綴っています。
更新速度はマイペースですが、情熱が続く限りは続けていくつもりです。よろしくお願いします。

本の感想記事は予告なくネタバレする場合がありますので、未読の方はご注意ください。

初めての方、詳しいことが知りたい方はこちらからお願いします。

Calendar

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

New Entry

Category

New comment

New trackback

Profile

爽

Author:爽
大学生
誕生日:8/13
趣味:読書 アクセサリー作り ショッピング
好きな作家:
有川浩 伊坂幸太郎 桜庭一樹 小路幸也 高楼方子 恒川光太郎 豊島ミホ 梨木香歩 三浦しをん 村山由佳 森見登美彦
好きなモノいろいろ:
りんご 甘いもの 王道 FF7 ドラゴンボール 書道 数学 トロンボーンを吹く 整理整頓 aiko 雑貨屋さんめぐり
得意になりたいこと:
料理全般 カラオケ 語学(特に英語!)車の運転(ナビ含む)

Now reading・・・

Now Reading…
『鍵のない夢を見る』(辻村深月)

Etcetera

ランキングとか同盟とか。

・にほんブログ村
本ブログ
ハンドメイドブログ

0813


Counter

Search

Archives

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。