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きらきらひかる 江國香織

2011–04–29 (Fri) 22:53
きらきらひかる (新潮文庫)きらきらひかる (新潮文庫)
(1994/05)
江國 香織

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岸田睦月とその妻・笑子は、仲のよい夫婦である。互いを認め合い、静かに時を刻んでいる、普通の夫婦だ。睦月がゲイで紺という恋人がいることと、笑子が精神病でアル中であること以外は。愛する、ということは、決められたひとつの形しか許されないのだろうか?男女の性と、その間の不安定さを描く恋愛小説。


新潮文庫の100冊には大概挙がっているので、前々から気になっていました。
同期の友人が読んでいて、なかなかいい評価をしていたので、これを機に読んでみる事に。

うん。素敵でした。


江國香織って、男女間の不安定さとか気持ち悪さとか、目に見えない結びつきとか、そんな「雰囲気」や「空気」を描くのがとても上手だと思う。
恋愛にスタンダードってないと思うけど、初期の作品でこれを出してくるって結構なアウトサイダーだな…とか思った(笑)


笑子の気持ち、わからなくもないんだよね。
何にも邪魔されず、ふたりが「いい」と思った空間を守り続けることが、どうしてこんなに難しいことなのだろう。
100組の夫婦がいたら、100個の恋愛の形があってもおかしくないと思う。


笑子と睦月の間にあるのは、私は紛れもなく愛だと思うんだ。
恋愛より大きなくくりの、人間愛に分類されるのかもしれないけど。
世の中には、冷え切って愛のない結婚をする人たちも存在するのに、睦月たちだけがアウトサイダー扱いされるのは、なんだか変な感じ。


うーむ…この、不安定な状態で安定しているギリギリのバランスが、なんだかとても美しくて静謐なお話だったと思います。



それと同時に、睦月はなんて残酷なんだろう、とも思ったけど。
誰にでも誠実でまじめであることは、必ずしも優しさではなく、ただの自己満足になるんだよな、って。
最終的にその優しさは、だれも救わないからね。



最後にあとがきより引用。

「ごく普通の恋愛小説を書こうと思いました。誰かを好きになること、その人を感じるということ。(…)素直に言えば、恋をしたり信じあったりするのは無謀なことだと思います。どう考えたって蛮勇です。」

…なるほど。



読了日:2011/3/18
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真昼なのに昏い部屋 江國香織

2010–12–25 (Sat) 17:05
真昼なのに昏い部屋真昼なのに昏い部屋
(2010/03/25)
江國 香織

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なんでも「きちんと」することが好きな美弥子さんは、夫の浩さんと一緒にひどく大きい家に住んでいた。その中で世界を完結させていた彼女の前に、ジョーンズさんという外国人が現れる。鳥かごの中の小鳥のような美弥子さんに想いを寄せるジョーンズさんと、そこから連れ出された美弥子さんが紡ぐ、甘美な愛の物語。


唐突に読みたくなった江國香織。
この装丁が私の中の江國香織像にぴったりで感動した!
美しいけどどこか怖い感じ。

ですます調ですごく丁寧なんですが、手の届かない冷たさを感じさせない文章。
大人の口調で語られるのに、どこか幼さがあって、そのちぐはぐさが変に心地よいです。
美弥子さんの世間知らずな感じも、そのちぐはぐさを助長させているような気がする。
穏やかで温かなんですが、でもそこから生まれるほの暗さや陰を隠せない。
『真昼なのに昏い部屋』とはまた、ぴったりなタイトルだなと思います。
バラの棘とか、甘い珈琲のあとに残る苦味とか、そんなものを連想させる。


色んな恋愛小説を読んできましたが、私にとっての恋愛のイメージは江國香織の書く恋愛に近い気がする。
自分がこういう恋をしたいとか、憧れるとか言う意味ではなく、「恋愛」というものを定義付けるとすると、この恋愛が一番しっくり来るかな、っていう。
登場人物は独特の価値観を持っている人が多くて、とても自由。
結婚してるとか、不倫だからとか、年の差があるからとか、そういうことを全く気にしていなくて、単純に「人を愛している」感じ。本能のままに生きてる。

しかし、浩さんへの会話の通じなさってちょっと異常ですね。
なんかあのシーンは本当に気持ち悪かった。
なんだこれ、って。

私は友達とも恋人とも、わりと会話でのコミュニケーションを大切にしたいと思う人間です。
友達とのおしゃべりはもちろんのこと、まじめな話し合いもわりと好き。
いやなことも嬉しいことも、やりたいことも、聞きたいし言いたい。
何でもかんでも言えばいいってわけではないですが、黙られてるよりずっといい。
そうやって色々理解していくものだと思う。
でもあんなに会話がかみ合わなかったらどうしたらいいんだろう。


最後はなかなかの毒。
恋愛って、ほんとにままならないものですね。

読了日:2010/6/14

東京タワー 江國香織

2010–05–02 (Sun) 17:39
東京タワー東京タワー
(2001/12)
江國 香織

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恋はするものではなく、落ちるものだ。19歳の透は、美しく優雅な詩史さんにそのことを教わった。一方耕二は心の赴くままに多くの女との遊びに興じていた。対照的なふたりは、しかし同じように年上の女に惹かれ、愛を育てていく…。甘美な愛の形を綴る恋愛小説。



本の記事、久々ですね。
ほっとくと、気付いたら読んでから1年とか経ちそうです。
危ない…。


江國香織、久々!
このブログには記事ないですけど、ちょいちょい読んだことはあります。
『冷静と情熱のあいだ』
『すきまのおともだちたち』
『神様のボート』
くらいしか読んでませんが。高校の時読んで以来かも。

江國香織の文章って、薫るんですよね。
ふわっと。
匂いたつ、というか…。
この方、雰囲気を作るのが最高に上手い気がする。
小川洋子とかもすごく美しい世界を作る人ですが、小川洋子の世界はある種美しくて完璧すぎる気がする。
江國作品のこの揺らめく世界の儚さには、不完全だからこその吸引力がある気がします。
他の作品も読みたいんですが、そういう雰囲気が素敵な作品て、1作読んだらしばらくお腹いっぱいになる(笑)
浸かりすぎて、次が同じタイプの作品だとのめりこめずに終わってしまうので、私は間を空けないと楽しめないです。




この『東京タワー』はいつか絶対読まねばならぬと思っていたので、ひとつ目標が達成された気分。
なぜだかわからないのですが、「恋愛小説といえば『東京タワー』!」という想いがありました。
ほんと、何でだろう(´∀`;)
透と詩史は歳も全然違うし、だいたい不倫だし、私の好きな王道とはかけ離れているのに、なぜだか恋愛の王道な気がしている。

一番衝動的な部分というか…理屈抜きで相手を求める部分に、恋愛の本質を感じているのかもしれない。

恋愛小説にもたくさんのジャンルがあって、甘酸っぱいモノとか、超ドロドロの不倫モノとか、幸せいっぱいのとか、色々あると思うんですが、これはどこにもはまらない感じ。
上のはどれも「恋愛していること」が非日常で、始まりがあって終わりがある、ひとつの「出来事」なんですけど、これはちがう。

透と詩史の関係は大きく変わらず平行線のままだし、耕二もあんなに適当に生きてるのに、最後に大波乱が起きるわけでもなく、ゆるゆると時は進む。終わりも、結末と言えるようなものでもなく。

とても、自然。
そして、とても、自由。

恋愛って本来これくらい自由なものなのかも。
人間の恋愛って、規律・道徳・体面、そういうものがまとわりついて、まっすぐ1対1で向き合えていない人が多いんじゃないかな。
恋愛経験乏しい私が言うのは生意気な気もしますが!一般論として!


「恋はするものじゃない。落ちるものだ」
というのがこの小説の代表的な言葉であり、話の根幹ですが、たぶんこれに私はとても惹かれているんだと思う。
頭じゃなく、心で恋愛している気がするから。


詩史はどこまで本気なんだろう。
彼女の大事なものはなんだろう。
別荘に夫がやってきて、透のもとを去るときの潔さ、そして自然さといったらもうすごい。
たぶん彼女には透を弄ぶ気も、騙す気もさらさらないんじゃないかな。
一緒にいたいから、いる。それだけ。
どこまで本気かわからないけど、いつも嘘はついていない。そんな感じ。

不倫なんかしたら将来幸せになれないとよく言う。
まぁ否定はしませんが。
でも、不幸になるかというとまたちょっと違うなと、彼らを見ていて思ったし、最近そう思うようになった。


恋愛の価値観て、人の本質が出るなと思う今日この頃。


読了日:2009/8/31

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