スポンサーサイト

--–--–-- (--) --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

刻まれない明日 三崎亜記

2011–04–18 (Mon) 13:36
刻まれない明日刻まれない明日
(2009/07/10)
三崎 亜記

商品詳細を見る
「開発保留地区」―それは十年前、3095人の人間が消え去った場所。街は今でも彼らがいるかのように日々を営んでいる。あの感動から3年―“失われた時”が息づく街を舞台に描く待望の長編。(Amazonより引用)


長編、てなってるけど、連作短編ぽいので章立てを。
「歩く人」「第五分館だより」「隔ての鐘」「紙ひこうき」「飛蝶」「光のしるべ」「つながる道」

Feel Loveの連載がまとまったものなので、どの話もゆるい恋愛小説風味です。
ただ、人と人の絆、みたいなものが全編を通じてのテーマのように感じられたので、普通の恋愛小説だと思って読むと物足りないかと思われます。

世界観が『失われた町』と同じ。
そこから少しだけ進んで、その消失についてのメカニズムがほのめかされているような感じでした。
すこしずつ、この世界も進んでいるんですね。

『失われた町』の世界観は結構好きだったので、
言葉の美しさと共に、なかなかいい雰囲気で楽しめました。
三崎作品はたまに後味の悪いものに出会うんだけど、これはずいぶん綺麗な世界観。

ヒノヤマホウオウとか、七階撤去とかが普通に出てくるので、三崎作品は通しで読むと小さな嬉しさを感じられますね(笑)

「隔ての鐘」が一番すき。
駿の素直さと、母子関係がいい。

「駿は、普通とか、普通じゃないとか、そんなことで人の気持ちを測るのかな。君をそんな風に育てた覚えはないんだけどな」

っていう母親の台詞が、いいな。


人との想いをつなぐこと、というのがとても重要視されていて、
手をつなぐ温かさとか、
言葉の重みとか、
自分の信念を貫くこととか、
そういう姿をたくさん描いているので、こちらも毎日を丁寧に生きたくなる。


覚悟ができているかどうかの違いだけで、隣にいる人はいつか消えてしまう。
もしかしたら、自分が消えてしまうかもしれない。
行き急ぐつもりはないけれど、伝えるべきこと、伝えたいことは、きちんと伝えていきたいな、と思うのでした。


読了日:2011/3/6
スポンサーサイト

廃墟建築士 三崎亜記

2009–08–03 (Mon) 21:14
廃墟建築士廃墟建築士
(2009/01/26)
三崎 亜記

商品詳細を見る
廃墟は、人類にとっての癒しになる―そういわれてから、「廃墟」を「建築」することがブームになった。人類は、いったいそこに何を見出すのか…。(廃墟建築士) 図書館の夜間開館は、多くの危険が伴う。図書館の「野性」をうまくコントロールするのが、私の仕事である。(図書館) 日常と非日常の隙間をつく、「三崎亜記」の独特の世界観を裏切らない4編の中編集。


「七階闘争」「廃墟建築士」「図書館」「蔵守」の4編。
どれも場所に関するお話ですね。
なんというか、どれも「場所」に対する敬意に溢れています。

一番それが如実に表れているのは「蔵守」ですかね。
人間には決して理解できない時の流れと歴史を体に刻んだ「建物」。
それを守る、蔵守という存在は、人間の一生というちっぽけなものにとらわれない人なのでしょう。


個人的には「図書館」が一番好きです。
日野原さん出てきました!
このために『バスジャック』の「動物園」を読みましたが、読んでおいてよかったです!
こういうリンク、好き。

ううむ、日野原さんと社長の過去の話は描かれるのかなぁ…。
すこし、気になります。

本が飛ぶ様子、私も見たいですw
ハリーポッターの世界のよう。
うちの近所の図書館でも夜間開館しないかな~(*^_^*)


図書館に限らず、色んな場所がそれぞれ意思を持っていても不思議ではないと思います。
でもそれは、そこに生きてきた人間たちの意識のかけらが少しずつ寄り集まってできた、意識の集合体というようなもののような気がする。
建物はやっぱり、人と生きて、人といっしょに作られていくものだと思うんです。
まぁ建物に限らず、モノはみんなそうかなって思いますけど。

だから「廃墟建築士」で、ひとが住んでいない、まっさらな廃墟のほうが価値があるっていうのに意義あり。
モノは古くなって朽ちていくものですけど、人から大事に扱われて年月を重ねたものは、とても美しい姿をしていると思うんですね。
だから、廃墟を作るのはまぁいいとしても、そこに芸術性を見出すなら、やっぱり人といっしょに年月を重ねるべきだと思うんですよ。
人の温かさが感じられない建物って、とても寒々しいと思います。

「七階闘争」は、そういう人と建物の繋がりみたいなのに着目した話だと思います。
普段意味のないものに意味がつくと、それはとたんにその人にとって特別なものになる。
それは幸せなことでもあるし、とても怖いことでもあると思う。

三崎作品のもつ「喪失感」が好きです。
これはきっと、普段意味のないものにも意味をもたせているところから生まれるのかなって思いました。
自分にとってどうでもいいものを失っても、喪失感はないから。

うーん、三崎作品は、すっごく好き!ってわけではないんですけど、なんか無視できない吸引力がある。
最近出た『刻まれない明日』も予約しました。
なんか、喪失感が前面に出た話のようなので、楽しみです。

読了日:2009/7/16

バスジャック 三崎亜記

2009–07–11 (Sat) 23:37
バスジャック (集英社文庫)バスジャック (集英社文庫)
(2008/11)
三崎 亜記

商品詳細を見る
今、バスジャックがブームだ。人々はバスジャックという娯楽を求めてバスに殺到する。ヘタなバスジャックには激しいバッシングがおこる。いかに美しく「バスジャック」が行えるか。不可思議な社会を描く表題作のほか、現実と空想の隙間を広げたような世界を描いた短編集。


「二階扉をつけてください」「しあわせな光」「二人の記憶」「バスジャック」「動物園」「送りの夏」の6編です。

三崎亜記は作品ごとに合う・合わないの差が大きいので積極的に手は出さないんですが、「動物園」に出てくるキャラクターが、これから読みたいと思っている『廃墟建築士』の中に出てくるらしいと聞いたので、読んでおくことにしました。

なんか「二階扉をつけてください」の後味がとんでもなく悪くて、しょっぱなからテンション下がりました。
やたらと怖くて。
これをなんで一番はじめにしたんだろうな…。
あんまり本読んで気持ち悪くなることないんですけど、これは辛かった。
もっと後味悪くてショックな話もあるはずなのになんでだろうなー(-_-;)
…赤ちゃんかな。
生まれたばかりの赤ちゃんが泣き叫んでる状況に耐えられなかったのかも。

それに対して「バスジャック」はコメディチックでよかったかなー。
これ面白かったです。
バスジャックがブームになるのは異様だけど、他の三崎作品の世界観の不思議さから言えばなんかわりと現実味がある気がする。
世の中って、なにがきっかけで何がブームになるのかわからないので。
そしてこのオチ、なんか伊坂っぽいなぁと思いました。

「動物園」は野崎さんがよかったですね!
いいなぁ、こういうおじさん。
この日野原さんの力って、一種の超能力なんですかねー。
この世界でも日野原さんの力は誰でもできる、ってモノじゃないみたいだし。
でも普通の人でも、すごく怒ったりしたときとかに目に見えない「雰囲気」を作ることはできるので、たぶんそういう力が秀でていた人なのかも。
余談ですけど、柚月ってすごく可愛い名前ですね^^

「送りの夏」は作中の「異変」を登場人物たちが「異変」として認識しているのが珍しい。
そのおかげで読みやすかった。
中学上がってから、まだ身内でも親しい人でも、誰かとの永遠の別れは訪れてなくて、人が亡くなることをどのように受け止めればいいか、ってまだ自分で答えが出せていません。
私にとっても、まだ、「死」って水族館のガラスの壁の向こう側だな。


一番はじめがちょっとインパクト強かったけど、他はいい感じでした。
うーん、でも、不思議世界を書いたものより、「送りの夏」のような、失われることによるせつなさを書いたもののほうが好きだな。
『廃墟建築士』、予約してたのが来たので早く読もう。


読了日:2009/6/25

鼓笛隊の襲来

2008–07–02 (Wed) 21:44
鼓笛隊の襲来鼓笛隊の襲来
(2008/03/20)
三崎亜記

商品詳細を見る
人々を追従させる「鼓笛隊」の音色。ある日、戦後最大規模の鼓笛隊がやってくると聞き、人々は避難し、オーケストラで迎え撃つが…(「鼓笛隊の襲来」)覆面をかぶれば「私」をリセットできるといわれ、世間では「覆面依存症」が蔓延りだした…(「覆面社員」)近くにいるのに会えない。彼は空中に浮遊する都市の上にいるのだから…(「遠距離・恋愛」)日常にあるわずかな「歪み」に目をつけ、異空間へと誘う三崎ワールドが堪能できる短編集。

読みおわってからもう早1ヶ月くらい経とうとしている…!
道理でアップ待ちの記事が増えるわけだ(-_-;)

「鼓笛隊の襲来」「彼女の痕跡展」「覆面社員」「象さんすべり台のある街」「突起型選択装置(ボタン)」「欠陥住宅」「遠距離・恋愛」「校庭」「同じ空を見上げて」の9編。見方によってはホラーとも取れる奇妙なお話。すごく短くて1話15分くらいで読めちゃいました。文庫化されれば電車の中の読書とかにおススメできるかも~と思いました。

三崎亜記は1年半ぶりくらい?
なんていうかこの作家さんは、いまいち合うか合わないか判断が定まっていないので、出るたびに読んでいこうと追っかけている最中です。
これはよかったです。

この人の書く世界はいつもとても不思議なんですけど、短編であれ長編であれ、その世界観に関する説明はまったくされないんですよねー。
だから「三崎亜記を読むぞ!」っていう意識がないと、読んでてどんどん混乱してくる気がします。
ファンタジーは世界観の説明があるのが当然で、それは「これから異世界のことを書きますよ」っていう作者の意思表示だと思うのですが、それがないってことは、三崎さんはこれを異世界のことという位置づけじゃないのかなぁ、なんて考えたり。

登場人物に実体がないなぁー、とも思いました。
私の読みこみが足りないだけかもしれませんが、語り手の性別がわからないんですよ!
男だと思ってたら彼氏がいたり、女だと思っていたら妻がいたり…何度だまされたことか…orz
でも、性別だけでなく、年齢も雰囲気も感じさせないんですよ。
くたびれた男も、若々しい女も、まったく同じように見えました。
重松さんとか、荻原さんとか、すごいリアルにキャラクターを書くので、なんとなくどんな顔してるとか、体型はどんな感じかとか想像できるんですけど、三崎さんのキャラクターは、想像できない。
みんなのっぺらぼうなイメージ。
でもそれは人物の描写が足りないからわからないっていうわけでもないんですよねー。
うーん、言葉で説明するって難しいなぁ(ーー;)

私は、どことなく負のオーラを持つ作品は短編集じゃないと疲れてしまうみたいです。
今回もいろいろな設定がどんどん出てきたから、不思議だなって感じる間もなくするする受け入れられた気がします。

お気に入りは「覆面社員」「遠距離・恋愛」「同じ空を見上げて」です。
「覆面社員」は実際に起こりうる感じがします。
「遠距離・恋愛」「同じ空を見上げて」とかは基本ほのぼのしてるんですけど、空中浮遊のために生きた女の子が神木と同化しているとかいうブラックな設定がいきなり出てきたりして、やはり一筋縄ではいかない感じでした(^_^;)

そういやちまちま読んでいる「Feel Love」に三崎さんの恋愛小説が載っているんですが、見たとき「この人恋愛小説なんか書くの?!」って驚いた記憶があります(笑)
やっぱり不思議でした。

今度はまた町関係で、連作短編ぽいのを読んでみたいなぁ。

読了:2008/6/8

 | TOP | 

At first

FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集

管理人の日々のつぶやきと、読んだ本の感想、趣味で作ったハンドメイド小物について綴っています。
更新速度はマイペースですが、情熱が続く限りは続けていくつもりです。よろしくお願いします。

本の感想記事は予告なくネタバレする場合がありますので、未読の方はご注意ください。

初めての方、詳しいことが知りたい方はこちらからお願いします。

Calendar

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

New Entry

Category

New comment

New trackback

Profile

爽

Author:爽
大学生
誕生日:8/13
趣味:読書 アクセサリー作り ショッピング
好きな作家:
有川浩 伊坂幸太郎 桜庭一樹 小路幸也 高楼方子 恒川光太郎 豊島ミホ 梨木香歩 三浦しをん 村山由佳 森見登美彦
好きなモノいろいろ:
りんご 甘いもの 王道 FF7 ドラゴンボール 書道 数学 トロンボーンを吹く 整理整頓 aiko 雑貨屋さんめぐり
得意になりたいこと:
料理全般 カラオケ 語学(特に英語!)車の運転(ナビ含む)

Now reading・・・

Now Reading…
『鍵のない夢を見る』(辻村深月)

Etcetera

ランキングとか同盟とか。

・にほんブログ村
本ブログ
ハンドメイドブログ

0813


Counter

Search

Archives

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。