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水曜の朝、午前三時 蓮見圭一

2007–10–25 (Thu) 12:37
水曜の朝、午前三時 (新潮文庫) 水曜の朝、午前三時 (新潮文庫)
蓮見 圭一 (2005/11)
新潮社
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もし、あの時、あの人との未来を選んでいたら…。若くしてなくなった翻訳家の四条直美が娘に残した4本のテープ。そこには、彼女が胸に秘めていた、燃えるような恋の軌跡があった。大阪万博を舞台に語られる、激動の告白小説。
しばらく、イタイ・ツライ・コワイ話ばっかり読んでいたので、とりあえず恋愛小説が読みたくて。カバーにかかっていた文に惹かれて、ずっと気になっていた本です。たまたま大学で文庫本がおいてあったので、借りてみました。

とてもレトロな小説です。
っていうのも、舞台になっている時代がちょうど一世代くらい違うからだと思うんですよね。親が読んだら懐かしいって思うんだろうと思います。

だから、その分日本語が綺麗です。
しっとりとした魅力、芯のある言葉。
流行り言葉がない分、すごく落ち着いた感じがありますね。
だから私には古臭い感じがするのだろうけれど…。

本当に好きな人とは、きっと結婚できないのだろうと思います。
運命のいたずらでも、自分の気持ちの上でも。
もちろん、一番好きな人と一緒にいられればそれが一番幸せなのかもしれないですけど。
でも結婚するっていうことはお互いのすべての面をされけださないといけないわけで、それってすごく大変なことで。
愛していれば、嫌な面も受け入れられるのかもしれない。
でも、結婚して10年も20年も一緒にいたら、はじめの頃と同じ気持ちでは愛せないと思うんですよ。
この中でも直美が、「結婚してお互い以外の人間を想わない人はきっといないだろう」と言っています。
それはすごく不誠実に聞こえるかもしれないけれど、私はそれが真実だとおもいます。
一人の人間をずっとずっと熱烈に愛し続けることは、人間の本能的に無理なのではないかと。

これは直美が娘の葉子に向けて録音したテープを、葉子の夫が起こしたもの、という設定なので、多少説教くさい感じがあるかなーと思いますが、でもすごくいい言葉、いいセリフが詰まってます。
特に最後の、内心の訴えに耳を傾けて生きていけ、というメッセージは、誰もがはっとするものなのではないかと。
波乱万丈、胸がきゅんとするような恋愛小説ではないけれど、美しい小説です。
なんとなく初心に帰りたいな、ってときに読むといい話だと思います。

読了日:2007/10/16
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