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小学五年生 重松清

2008–01–11 (Fri) 21:17
小学五年生小学五年生
(2007/03)
重松 清

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少年は、小学五年生だった――。転校、近しい人との死別、ほのかな恋心、淡い性への目覚め・・・。中学生ほどは大人に振舞えないけれど、もう無邪気なだけの小学生ではいられない。そんな小学五年生の少年達を描いた17の短編集。

「葉桜」「おとうと」「友だちの友だち」「カンダさん」「雨やどり」「もこちん」「南小、フォーエバー」「プラネタリウム」「ケンタのたそがれ」「バスに乗って」「ライギョ」「すねぼんさん」「川湯にて」「おこた」「正」「どきどき」「タオル」の17編。

一話一話がすごく短くてさらさらーっと読めます。
うーん、やっぱりモヤモヤします。息苦しいかんじ。
よく豊島ミホ作品の感想にも「苦しい」て連発してますけど、それとは違う苦しさ。
なんていうか、やりきれないっていうどうしようもない感じですね。
豊島作品は自分の中のウジウジした暗さにまいるんですけど、この作品は外からの色んな辛さに辟易してしまう、擦り切れる感じの苦しさというか。
最近ちょっと合わないかなぁ~と思い始めています(~_~;)
「その日のまえに」は好きなんだけどなぁー。

「小学生にしては大人びてない?」って貸してくれた叔父は言っていたんですが、私は結構小学生だと思います。
ただ地の文が硬くて、小学生の語りっぽくないのが原因かなと思うのですが・・・。
考えていることは小学五年生って感じかなって。

小学生だったころを思い返してみて思うんですが、小学生ってすごい狭いコミュニティで生活していて、自分のクラスが世界の中心なんですよね。
だからやっぱ転校とかはほんとに一大事でした。
逆に離れて暮らす祖父を亡くしたときとかはほとんど実感わきませんでしたし・・・。
「転校」と「死別」の比重がほとんど同じなんです。
もちろん、頭の中ではどっちが重大なことなのかっていうのはわかっているんですが。
そこらへんの感じはなんか上手いなーって思いました。

テーマひとつひとつはすごい重要な問題なんですけど、その問題に対してほとんど踏み込んでない。
とても客観的に語っている印象を受けました。
だからすごい苦しいんですけど、説教くさくはない。
それが合わないかなぁと思いつつも最後まで読めた理由かなと思いました。

読了日:2007/12/21
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ビタミンF 重松清

2007–12–03 (Mon) 12:57
ビタミンF ビタミンF
重松 清 (2000/08)
新潮社
この商品の詳細を見る
30代後半、結婚して妻も子供もいる、ごく普通のサラリーマン。後先考えずに突っ走れる時期はもう終わった、でも残りの人生、現実だけを見据えて生きていくにはツライ。このまま生きていった先に待っているのは、どんな未来なんだろうか・・・。疲れてしまった心にジンとくる、7つのビタミンをあなたに。
「ゲンコツ」「はずれくじ」「パンドラ」「セッちゃん」「なぎさホテルにて」「かさぶたまぶた」「母帰る」の7編を収めた短編集。

最後のほうになるとだいぶほっとするというか、あたたかな気持ちになったのだけれど、はじめのほうはちょっときつかったかなぁ・・・。
中年のオジサン達を中心とした家族小説なんだけど、前半の何編か・・・「ゲンコツ」「はずれくじ」あたりではなんとなくみんな家族(特に子供)と距離を感じていて、家族に嫌気が差しているって感じがしたんですよ。

実際にはもちろん彼らは家族が嫌いなわけじゃないんだと思います。
でも、なんか家族と仲良くすること=父親の義務って思っているような雰囲気で、それが読んでいてたまらなく辛かった。
いや、まぁ、私がそう感じてしまっただけかもしれないんですが。
自分も子供を持てば考えは絶対変わるっていうのもわかるのですが、とりあえず今は辛かった。

「はずれくじ」で、父親が息子のことを「はずれくじ」って例えたのが・・・もう、なんかやめてくれって叫びたくなりました。
ほんとにショックで。
確かにギクシャクしてるけど、だからって自分の子供を「はずれ」だなんて言うなよ、そしたら何が「あたり」なんだよって。
自分が実は親に「はずれ」だと思われていたら立ち直れないです。
うーん、私はそのままの意味で取っちゃったけど、ホントはあのセリフ・・・というか文にはもっと別な意味があったのかなぁ・・・。

「セッちゃん」はすごくリアルでした。
なんていうか、私も中2のころ、加奈子ほどはひどくなかったけど、似たような状況になってしまったことがあったので、そのころのこと思い出しましたねぇ。
部活は楽しかったし、クラスでも一応居場所があったので、不登校とかにはならなかったから軽いもんですが。
そういうときって、絶対に親には言えない。
仕返しが怖いからとか、そんなじゃなく、ただただ親の辛そうな顔や痛いほどに心配してくれる気持ちを想像するだけで、もうコレはだめだなと。絶対に言えないなって思うんですよ。
だから明るく振舞う加奈子の気持ちがわかって泣きそうになりました。

あとの3編は心の中に溜まっていたもやもやが少しずつ晴れていくかのように穏やかな気持ちで読めました。
「母帰る」はずいぶんホッとして読み終えることができたのでよかったです。

家族のつながりってなんなのか。
それはずっと考え続けているテーマでもあります。
なんか色々と新しい考え方を投じてくれた本だったと思う。

今回珍しくマイナスイメージの感想でしたが、最後の話のおかげで読後感はよかったです。
だから次も読めそうです。
「その日のまえに」はすっごくよかったので、肌に合うかはまだ判定しづらいなぁ・・・。

読了日:2007/11/29

カシオペアの丘で 重松清

2007–08–20 (Mon) 11:10
カシオペアの丘で(上) カシオペアの丘で(上)
重松 清 (2007/05/31)
講談社
この商品の詳細を見る
ここは、俺たちの丘だ―。
肺の腫瘍は、悪性の癌だった。まだ、やり残したこと、見ていきたいものがたくさんあるっていうのに―。そんな時、何気なくテレビに映った遊園地「カシオペアの丘」。そこは、まだ幼かった頃―自分もシュンと呼ばれていた頃―俺と、トシとユウちゃんとミッチョの仲良し4人組で夢を語った場所だった。そうだ、あの頃は、ただ純粋に、俺らは友達だった。数年後に、俺らがいろいろなことに気づいてしまうまでは―。「生きる」とは?「許す」とは?様々な思いを胸に、彼らは数十年ぶりに故郷・北都に集うこととなる。そこで待ち受けていたものは…。
これは上下巻です。画像は上巻だけですけどね(*_*;
重松清は久しぶりです。ほかには「その日のまえに」しか読んでないんですが。田舎帰ったときに読んでたら叔父さんに「えー、今の若い子は重松清とか読むの?!」と驚かれました。え、普通に読みますよ、ね?
むしろ結構ファンのコも多い気がするんですが、私の周りだけ?

話の内容ですが、今回のテーマは「許す」こと。
人間、やっぱり人に迷惑をかけずに生きていくことは難しいわけで、一度も誰かに許しを乞わなかった人は居ないはず。そして逆もまた然り。
許すほうと許されるほうとどっちが辛いかというと、私は許すほうが格段に辛いと思います。許される側は、許されたらそれでおしまい。許されたこと=終わった出来事として扱うことが多いはずです。でも許すほうはこれで終わり、っていう地点なんてないんですよね。自分がいくら納得したと思ったって、その出来事が自分の中で終わった出来事になることはないだろうし、そうやって自分でも消化できないところで、相手の想いまで受け止めなければならない苦しさもある。そうおもうと、人がひとを本当に許すことは本当はとても難しいことなのではないかと思うのです。

この物語の4人は、自分の信念と相手への思いやりの間ですごく悩んでいる。許したいけれど、本当に許してしまっていいのだろうか。許されたいけれど、本当に許されてしまっていいのだろうか。相手を思いやるがゆえにどうするべきなのかわからなくなっていく。こうやって悩むことがなければすごく楽なのにと誰もが思う。
しかし、美智子のこのセリフで、その気持ちは一転する。
「ひとを一度も傷つけることなく、誰かに一度も悲しい思いをさせることのない人生は、この世にあるのだろうか。わたしにはわからない。誰からも傷つけられたことがなく、悲しい思いを一度もしたこともない人生は―よかったね、とは思うけれど、幸せだったね、と言えるのかどうか、わからない。」

そして、同時に「生きる」ことについても考えさせられる。
死に行くものが残されたものに遺せることは。生き続けるものがこの世を去るものにしてあげられることとは。
この答えは、ちょっと考えただけで出せるものではないし、出してはいけないものだとも思う。

登場人物の中では、ユウちゃんこと雄司がとてもいい。
ムードメーカーでいつもおちゃらけたことばっかりやっているけど、彼がいなかったら、4人はまた昔のように笑い合えたのかわからない。ちょっとお人よしなところがあって、人を放っておけないから損ばっかりしちゃうんだけど、私は彼みたいな人、好きだなぁ。

シュンがこの世を去ろうとするシーンや、北都観音に上っていく場面はジンと胸に来ます。大泣きってほど泣きはしなかったんですが、最後のほうでうるうるとしてきました。

上下巻ですけど、一冊があまり太くないし、言葉も難しくないので、さらさら読めます。じっくりと本の世界に浸りたいとき、何かを考えたいときに、ぜひ。

読了日:2007/8/14

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管理人の日々のつぶやきと、読んだ本の感想、趣味で作ったハンドメイド小物について綴っています。
更新速度はマイペースですが、情熱が続く限りは続けていくつもりです。よろしくお願いします。

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有川浩 伊坂幸太郎 桜庭一樹 小路幸也 高楼方子 恒川光太郎 豊島ミホ 梨木香歩 三浦しをん 村山由佳 森見登美彦
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